1イニング―交錯―

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「はぁ…」 部活が終わり、俺は部室で項垂れていた。 結局、藤木の事が離れず 雑用も全く進まず先輩達にしごかれた。 「松永、お前今日ずっと上の空だったじゃねーか。なんかあった?」 「柳先輩…すみません、ほんと…」 3年レギュラー 柳翔(やなぎかける) ポジション キャッチャー 190cmの高身長、さらにガタイの良さと肩の強さを持ち合わせ、この人の遠投を前に盗塁はできないと言われている。そしてチーム全体の動きを完璧に把握し試合をコントロールする司令塔。 うちの最強のキャプテン。 「ちょっと、集中力切れてただけっす。明日からまた気合い入れ直すんで」 「なんだ、考え事でもしてたのか?」 「どーせあれだろ?藤木の事だろ?」 俺の背後から米田先輩がちゃちゃを入れてくる。 図星だった為一瞬言葉が出てこなくてなってしまった。 「藤木?」 「ち、違いますよ…」 「どーだか。お前みたいな野球馬鹿は、藤木みたいなすげー選手知るとうずうずしてくんだよなー。おらワクワクすっぞ!ってなってんだろ?」 「う"…」 「藤木って、あの藤木か?そいつがどうかしたのか?」 「やっぱ、柳先輩も知ってんすね…藤木の事」 「あー、まぁそりゃな。有名だし」
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