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そして、 「ここらへんですか?」 鈴がそう美馬に聞くと、 「あっ、はい。この町で間違いないです。」 美馬が頷きながらそう答えた。 「ここですね。わかりました。…場所はこれで大丈夫です。」 鈴は地図をコピーしてそう言った。 それを聞いて、 「では次の質問を。その子のあだ名は知っているんですよね。それを教えてもらえますか。」 悠が次の質問に移った。 「はい、『ゆっちゃん』というあだ名です。本名は言いたくないからそう呼んでほしいって言われたんです。」 とすぐに答えた美馬。 「そうですか。本名を言いたくない理由は聞きましたか?」 「はい。一応聞いたんですけど言っていた意味はよくわかりませんでした。確か『本当の名前を教えてしまったら夢の時間が終わってしまうから。』って言っていたと思います。」 悠の問いに当時の事を思い出しながら答える美馬。 その答えを聞いて、 「『夢の時間が終わってしまうから』ですか。……どういう意味なんでしょう。」 悠がつぶやく様に美馬の言った事を繰り返し、難しい顔をした。
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