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そして気付いたら、
「あっ、ここ。」
祖母の家の近くにある神社の前に来ていました。
その神社はこじんまりとした小さなものでしたが、1日1回祖母がお参りに来ていたため、それに俺も一緒に行っていて、一番行きなれている場所でした。
俺はその神社の前の石段に座って、
「はぁ…。」
とため息を吐き、顔を下に向けると、
「…………。」
遊び相手もいない、祖母もいないという状況にだんだんと寂しくなってきてしまって涙が出そうになったんです。
その時、
「大丈夫?」
という声が上から聞こえてきたんです。
「!!」
俺は聞こえてきた声にびっくりして顔を上げ、座り込んだままの状態で声のした方を見ました。
そこにいたのは、
「…………。」
俺と同じくらいの歳の女の子でした。
この周辺に俺と同じくらいの歳の子いないと言われていたため、俺は驚いて声を出せず口をポカンと開けてその子を見ていました。
そんな俺を見て、
「大丈夫?どこか怪我したの?それとも気分が悪いの?」
その子は何も言わない俺をさっきよりも心配そうな表情をしてすぐ目の前までやってきました。
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