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それを聞いて、
「『神社から離れた場所へは行きたがらない』…ですか。」
悠はそう呟き、
「その子が神社を離れたくないと言ったんですか?」
鈴がそう聞いた。
「はい。と言っても神社から離れたくないではなくて周辺から出たくないって感じでした。たまには違う所へ遊びに行こうと言ったら『まだここらへんで見てないものとかあるからここが良い』って言っていました。それで本名とかと一緒で言いたくないんだと勝手に俺が思って理由は聞きませんでした。」
鈴の質問に頷き、美馬は答えた。
「なるほど。」
鈴はそう言って頷きながらチラリと悠の方を見て、
(これは現地へ行ってみるべきですね。)
と心の中で言った。
するとまるで鈴が心の中で言った事が分かったかのように悠が頷いた。
そして、
「その子との出会いはわかりました。次は美馬さんがその子を探している理由を聞かせてもらえますか?」
と話を次へと移すことにした悠はそう美馬に言った。
それに、
「はい。」
美馬はそう返事をして『理由』を話始めた。
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