scene.11

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そして、門倉君が次の言葉を続けようとした瞬間、私の腕がグイと引かれ、大きな背の後ろへと追いやられた。 「…こいつに、何か用ですか?」 「斎…!」 肩で息をしている様子から、きっとそこら中を駆けずり回って探してくれたんだと思った。 門倉君は突然現れた斎に驚きを隠せず、言葉を失っている。 「用がないなら、失礼します」 そう言って、私の手を引いてその場から去ろうとすると、門倉君が我に返って斎に向かって問いかけた。 「香月さんと付き合ってるんですか?」 「…」 その言葉に斎が立ち止まる。 私は息を呑んで、二人を交互に見つめた。 斎、何て答えるんだろう…? 斎は握っている手に少し力を込め、言った。 「それに答える必要はありますか?」 キツイ視線を向ける斎だが、門倉君も負けてはいない。 平然と斎の言葉を受け流す。 「ありますね。僕は香月さんと付き合いたいと思っています」 「…」
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