scene.11

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斎に手を引かれ、私達はお参りに並ぶ最後尾まで戻ってくる。 先ほどよりも長くなっている行列にウンザリしつつ、ほんの少しだけ感謝もする。 ……行列の分だけ、長く斎といられる。 「そういえば、あの子のご両親は見つかったの?」 迷子になっていた女の子のことを思い出し尋ねると、斎は少し目を細め、優しげに笑った。 「あぁ、両親も探していたみたいで、すぐに会えた」 「そっか…よかった」 「両親に会えた途端、ものすごい勢いで泣き出して、驚いた」 その時の様子が目に浮かぶようだ。 いきなり泣き出した女の子に、きっと斎はアタフタと慌てたことだろう。 見たかったなぁ……。 「普通なら、はぐれちゃった時点で泣くだろうに…強い子だったね」 私がそう言うと、斎もそうだな、と頷く。 「舞も、そうだったな」 「え…?」 「お前も、それまで泣いていなかったクセに、俺が見つけた途端に泣き出した」 「…そ、そうだった??」 いきなり昔のことを引っ張り出され、頬が熱くなる。 私は、ゆっくりと昔の記憶を呼び起こしてみた。
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