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暑さが限界MAX。服脱ぎたい。
「セクハラ覚悟で言うけど、服を脱いだ方がいい。このままだとすぐに熱中症になる」
「脱ぐって、どこまでですか」
「それは自分で決めてくれ。悪いけど俺はトランクス一枚にならせてもらう」
「えっ?マジですか?」
「君に何かするつもりもないし、そんな元気もないから安心していい」
音で、ワイシャツやズボンを脱いでいるのが想像できる。
「……あの…私も脱ぎます…」
「何も見えないから、俺の事は気にするな」
汗でまとわりつく衣類を剥いでゆく、この解放感。ストッキングも足を抜いて、最後にブラジャーの後ろに手を回した。
―――パチン
いつもなら簡単に外せるホックが、なかなかうまくいかず、伸ばしたゴムの生地が背中に当たり音が鳴った。
「……もしかしたらその……上の下着まで外すつもりか?」
「そうですよ。でもホックが取れ……あ、やっと外れた。けど何で分かるんですか」
「いや、見えなくても音が……。まさかそこまで脱ぐと思わなかったから」
課長が脱ぐ様子を、音で想像してたのと同じで、私も音で想像されてたんだ――ま、いっか。
「気持ち良いー。男には分からないでしょうけどブラは暑いんですよ、窮屈だし。でも下は脱いでませんからね」
「そんな説明するな。だけど急に照明がついたら、俺たち凄い光景だろうな。念の為に、すぐ隠せるようにしてくれよ」
「勿論。服の事は五月さんには黙ってた方がいいですよ。いくら見えないって言っても、やっぱり嫌でしょうから」
「言うわけないだろ。君も口を滑らすなよ、自分の恋人に」
「絶対言えませんよ。変な誤解しかされなそう」
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