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『触発されるとき』 相原メグミ
どこか、
自分自身が 気にならない処は
ないのか?
長い間、
私が私をみつめ、
長い間、
対話していた。
もう、
話題も尽きてしまって、
今度は
啀み合い始めた。
むきだしの夏。
辺り一面、
そこらじゅう、
発光体という発光体が、
至る処で、
何もかもすっぽり包み込んでしまって
息つく間もなかった。
代用の恋人の顔は
どれも同じ。
原色と原色が
それぞれ互いに
張り合い続けながら、
褪せていった。
幻のような数週間。
荒波に
のまれて
消えていった、
どこにもみられる場面の数々。
私は
こういった情景に
打ち解けることが
出来なかった。
それは、
きっと、
自意識過剰な自分に
うんざりしてしまっていたからだろう。
忍び寄る秋。
ずっと待ち構えていたかのように
私を触発しようとする。
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