第1話 【妖怪《ようかい》 瀬坊主《せぼうず》】

27/27
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/141ページ
    《報告》 尾張竹士郎さんに取り憑いていた『オオカワウソ』ですが、取り憑いた理由をただすと、どうやら住処であった川のちかくに、おおきな薬品メーカー社の製造工場が建ち、汚染物質を垂れ流しているとのこと。 襲われた人たちは、その工場の”投資者”であることが判明。 政治家の収賄疑惑も一枚噛んでいるらしく、その出納帖(すいとうちょう)を管理していた竹士郎さんが、カワウソの恨みと、じぶんの無力さとを呼応させてしまった、とのこと。 すると、騒ぎをききつけ、漁師たちがやってきました。私たちは、奇妙なやつらだ出ていけ!とののしられました。やはり、排他的(はいたてき)土地柄(とちがら)なんでしょうか。 『尾張』さんが、釈明してましたが耳に届きません。でも、いつものことですから私たちはすぐ退散しました。 わたしたちは、その工場に夜な夜な侵入し、破壊。 なんとか、バレずにあとかたもなくぶっこわしちゃいました。 (おもに、月弥さんと羅巌さんが) その後、感謝のお手紙とともに、報酬金がはいってました。手紙には───息子である竹士郎さんが首謀者(しゅぼうしゃ)である事実によりお役御免。しかし、あやかしに取り憑かれていたという理由で、(とが)(まぬが)れるもやはり免責(めんせき)は不可避とお(かみ)にいわれ親子で脱藩(だっぱん)を決意。でもとてもいまは仕合(しあわ)せだそうです。 あのカワウソはというと、竹士郎さんのペットになり、ともに暮らすことになったそうです。 川も徐々にもとのすがたに戻りつつあり、これでもう二度と、悪さをすることはないと思います。 貞吉さん、復活してよかった!! それだけが!とてもうれしかったです! あしたも晴れますように! 【担当:静季】 ●トイレットペーパー ●みりん ●ナプキ///(←途中から紙が破られている) 了
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!