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「だいたいあなたがたには、計画性というものがないんですか?」
期待もしない甲高い声が、空に響いた。
「血を流す樹木を退治してくれという依頼のはずなのに、どうして依頼主の工場が爆発で木端微塵にならないといけないのですかっ」
騒がしい。
乾坤堂のメンバーに勝手になった『貞吉』である。
彼は、立派な侍となるために加入した。
『乾坤堂』とは、銭で悪鬼妖怪の類を伐魔修祓せし集団である。
しかし、これといった基準はなく、報酬は、各メンバーの気分しだい。
といっても、ほとんどの采配は、リーダーである『月弥』にある。
そして、その気分によって、依頼主にもなにかしら蒙りがあることもしばしば。
「っせぇな。まずおめぇごときがエラソーに口はさむな」
耳をほじくりながら、月弥が云った。
「貞吉くんは、今回もただ騒いでいたな」
と、つづいて”封滅師”の『北條潤一郎』が云った。
「そういえば、いつもそうですよね」
”神鏡使い”の『静季』が、嬉々とし、
「いつもいつも」
と、剛腕鋼鉄の『羅巖』が云った。
これに加え、絡繰発明ジジイ『与作権兵衛』を含めた6名が、『乾坤堂』である。
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