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「ウッ…そうなんだけど…ごめんなさいぃぃぃぃぃぃぃっ!!!そんな目で見られたら…ウウッ…
あ。代わりと言っては何だけど異世界転生させるよ!!」
瑠樹の蔑んだ顔にいたたまれなくなったのか鼻水だらだらの神様(自称)は急にぱーっと顔を輝かせると同時に言いきった。
それはそれは良い笑顔で。
「……いや、異世界転生とか要らない。
死んだなら死んだでしようがないしこのまま先の世で生まれ変われれば「勿論、僕のせいで死んだんだし色んなスペック着けるからね!先ずはそうだな~…今度は死なないようにしてー魔法もいっぱい使えるようにしよう!あとは知恵も入れて身体能力もあげちゃおっ!!」
瑠樹の話しなんぞ聞いてはいない神様(自称)は一人でどんどん話を進めていっていた。
「(聞いちゃいねぇ…駄目だコイツ。)」
もう瑠樹は諦めの境地なのだろう。
目が遠い気がするのは気のせいではない。
「んじゃっ!転生しまーっす!!」
最後まで話す差を聞かない神様(自称)はくるりと人差し指を回して瑠樹の周りに魔方陣を浮かべた。
「え…」
「あっちで色々解らないことあると思うけど僕が知恵入れるからね!大丈夫!!」
そう勝手な神様(自称)の声が聞こえたと同時に瑠樹の意識は闇へと消えていった。
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町外れの森の中。
其処に一人の少年が倒れていた。
倒れているその人物はあの神様(自称)が異世界へと(無理矢理)転生させた少年、速水瑠樹だ。
瑠樹は不意にピクリと体を震わせゆっくりと目を開けた。
「……ん、あれ…?…森?」
目覚めた瑠樹は周りをきょろきょろと見回しながら現状を把握しようと考えを巡らせる。
どうやら森の中で倒れていたようで服には少し砂がついていた。
因みに服装は死んだときと変わってないらしく紺色のブレザーの制服のままだ。
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