現世のち脱現世

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鉄ドアの前。 これを開けて抜ければ階段がありそれを降りれば教室へと続く廊下がある。 だが、瑠樹は銀色のドアノブへと伸ばしかけた手を不意にとめる。 「…いや、やっぱりこのままサボろう。 ねちねち攻撃かわすのも面倒だし…」 考えが変わった様子で、伸ばしかけた手を引っ込めるとくるりと踵を返し反対側にある鉄柵の方へと歩き出した。 白い塗装が施された柵の前。 何気なくその柵の下へと目線をやると真下には生徒達が出入りする表玄関がありその先には中庭、更に先には広いグラウンドが広がっている。 玄関と中庭には今は誰もいないがグラウンドでは体育の授業を受けているであろう生徒達が走り回っていた。 「体育は暑そうだなー。あ。転けた。」 知らない生徒がこける様子をぼーっと眺めながら柵に軽くもたれ掛かる。 その瞬間だ。 突然、激しい突風が吹きもたれ掛かっていた柵がガタン!と強く揺れた。 「ん、お?」 間抜けな声が漏れると同時に瑠樹の体は外れた柵と共に中に投げ出された。 「え、落ちてるぅ!?!?」 重力に逆らわず落下していく体。 「(なんで!?あの突風で柵外れたの、?やばい…死んだわ)」 疑問がわき出る中、冷静に自分の死を悟ったその直後意識は暗転し暗闇の中へと落ちていった。
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