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桜が春に襲われている
アスファルト色に生が吸われる
わずかに残る少女の希望
鮮やかヒールで打ち砕く私
新しい歌を口ずさむ
この手を誰が握ってくれようか
初めてのステップを刻む
この涙を誰が拭いてくれようか
私はいつでも待ってばかりで
それが彼は気に入らなかったのだろう
もう少し動いてほしかったのだろう
彼の気持ちなど考えたこともなかったのに
私は結局欲しがりなのだ
与えられたものに感謝もしないで
次をただ欲しがるばかり
そうして彼を消費した
成長していくばかりの私を
どんな気持ちで見ていたのだろうか
彼のことを考えるときだけ
私は成長を少しやめる
君をなぞって季節を過ごそう
これ以上進むことがないように
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