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「オリオリ、だよね。ありがと」
運んでいる途中、美知香ちゃんが気づいた。まだ顔色が悪い。
「今、保健室に行くから、楽にしてて」
「うん。……オリオリ、ずいぶん痩せたね」
「あー、えーと、お婆ちゃん家が粗食だったから、かな? えへへへ」
「そっか。田舎に帰ってたんだよね。じゃあ久々に美味しいもの、食べに行こうよ。エッグド・ジンクスのパンケーキとか」
あー。ホイップクリーム山盛りのパンケーキ。脂肪 & 糖質 on 糖質だよねー。それよりはプロテインドリンクでも飲んでたいかな。
「いやー、今ちょっとお小遣い厳しくて」
ハンドグリップにトレーニングチューブも買っちゃたし。
「なら、このお礼におごるよ。夏休みの間、バイトしてお金貯めたんだ」
そうなんだ。私は夏休みの間中、乳酸を溜めてたよ。
美知香ちゃん達と一緒にいても、もう話が合わないんだな。そんな事実に気づいてしまった。
残念な気はするけど、悲しくはない。本当の意味で友達になれなかった事が、心を痛めてあんなに苦しかったのに、今は平気。私は私の両足で立って、歩いてゆける。
私達にはこれからも色んな試練が待ち受けてはず。だけど、きっと大丈夫。だって、心も超回復するのだから。
(終)
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※筋トレや食事制限は専門家の指導のもと、無理のない範囲で行いましょう。
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