パンケーキみたいに、ふわふわ。

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☆★☆  美知香ちゃん達から携帯に、遊びに行こうというグループメッセージが入っていた。私は、お婆ちゃんが危篤で田舎に帰るから、夏休み中は多分会えない、と答えておいた。  もし、本当に私が痩せたら、 美知香ちゃん達と対等に話せるのかな? それとも、私には利用価値が無くなって、相手にされなくなるのかも……。でも、都合の良い相手と思われて一緒にいるのは無理だ。とにかく、変わらなきゃダメだと思う。  他に遊ぶ相手もいない私は、結果として夏休みの間、トレーニングに集中することになった。  最初に、食事制限の成果が出た。最初の1週間で5kgも減ったのだ! ママに報告すると、 「むくみが取れたのね。この先はそんなペースでは落ちないけど、減るのは間違いないから、焦らず続けましょうね」  と、アッサリした返事。ママにとっては当然のことなんだぁ。    筋トレは3日に1度のつもりだったのに、パパが「ジョギングして血行を良くした方が回復するよ」「腹筋は毎日やっても大丈夫」「そろそろ部位別にローテーションしようか」「器具トレーニングを導入しようか」などと勧めてくるので、結局毎日やる習慣になってしまった。  不思議なもので、1度習慣になると、やらないと気が済まなくなってしまう。パパの指導を受けながら、自分でもメニューをコントロールできるようになってきた。  前は出来なかった動きができるようになる。より強い負荷に耐えられるようになる。そんな、やれば結果が出るという成功体験は、トレーニングを続ける原動力になった。  筋肉痛と休息を繰り返していると、パパの言う超回復が実感できる。キツいのは間違いないんだけど、それを乗り越えると前よりも筋繊維か太くなる。やった事が自分に返ってくるのが楽しくて、ハマってしまった。  食事の方も、あんなに食べたかった炭水化物が、欲しく無くなってきた。エネルギーにしかならないんだよなぁ、と思うと食べる気が無くなっちゃうんだよね。  もちろん、ママが飽きないように色んな料理でたんぱく質を摂らせてくれるから耐えられるのだ。毎日生卵とささみだったら耐えられない。あ、パパは平気かも。  夏休みが終わる頃には、なんと、18kgも減量していた。自分でも別人かとびっくりするくらいだ。制服のサイズが全然合わないので、買い直してもらった。
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