朝比奈加代子(あさひなかよこ)の遺言状

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辛いけど、仕方のないことだと思う。 自分でも不思議な感情なのだが、もっと自分の体がボロボロになってほしい。 そう感じる。 こんなミスを続けて、他人の足を引っ張る人間なんて、罵倒されて当然。 むしろ、ボロクソに言って欲しかった。 ボロボロになれ、身を裂かれろ、えぐって血が噴き出ろ、できるならば消し飛んでしまえ。 そう考えている時の、自分はどこか救われていてどこかが苦しくなっていた。 仕事の話しになるが、仕事はちゃんとやっている。 でも、頑張って働いても職場の人間は憎々しい表情で私をにらみつける。暗に給料泥棒だと言いたいんだろう。 もう自分の居場所なんてどこにもなかった。
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