噂の店

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その奇妙な店は、森の奥深くにあった。 鬱蒼と木々が生い茂る森の中、何故こんな場所に店があるのかと不思議になるほどの森の奥。 客など来なさそうな、獣道としか思えぬ道の先にその店はあった。 小さな小さな木でできた店。 その小さな店を探して森の道を歩く者が二人。 「本当にこんな所に店なんかあるのかよ?」 「ちゃんと確認したわ。確かにこの森の奥にあるって」 疲れた顔でぼやく男に、女が手にしていた地図を見せる。 「どう見たって、これ獣道だろ」 「確かに、そうとしか見えないけれど………」 女の声がしりすぼみになる。 「チッ。まあいい。ここまで来ちまったからな。もう少しだけ先に進むぞ」 男は不機嫌な顔で先に進む。 女もその後に続いた。
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