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色々と分からないことだらけなので彼女に説明を乞うと親切に教えてくれた。
ここが死後の世界であること。
そしてこの草原地帯は一度は立ち寄るところでこのお店も必ず寄らないと一生草原に居続けなければいけないこと。
そして彼女が何故人間の姿でさらに日本語までペラペ~ラなのか。それは人間だった僕に乗じて彼女の人間の姿となったらしい。
とても麗しい容姿だけれど仮にここにやってきたのがゴリラだったら彼女はメスゴリラになってのかしらん。
あまり想像したくありません。
「では、落ち着いたところで早速本題に入らせてもらいますね」
「あぁ、命を売ってくれるんですよね」
「はい。まず最初にお話しすることは命を何と交換するか、です。それは端的に言いますとあなたが人間として生を受けてから死ぬまでの行いによって決まります」
「行い?」
「私とは別に監視員がいまして、そちらの方々が毎日記録をつけているのです。その記録が届いてるのでこちらを参考にしていただければ」
言って、彼女はクリップで留められた紙を差し出した。見てみると色々書いてある。
性格やら日々の生活の記録、良いこと悪いことの数々。ダメな言葉を言った数や思いやりのある言葉の数。誰かを助けたとか見放したとか色々。
これら全てがどうやら点数となっているようで悪いことはマイナス点、良いことはプラス点となっている。
「このプラス点が良ければ僕は良いってことですよね?」
「まぁ、そうなりますね。命によっても安い高いはありますから」
「ちなみに人間になるには何点くらいいるんですか?」
「一億点です。今の貴方の点数の総数ですとまだ届きませんね。とゆうか人間の後に人間に生まれ変わるのは極めて難しいことなのです。なにせ貴方が人間になる前は数々の生物に生まれ変わり善行を積んでいたのですから。人間の時に例えば残酷な殺され方をしたとか幼少時代に不幸で死んだとかそんな事がない限りは無理ですよ。人間はヒエラルキーの中で一番上の位置にいますから」
「はぁ。そっかぁ。ちなみに地球以外の生物には生まれ変われるんですか?」
「それは無理です。ここは地球で生まれた生物のみが訪れることのできる場所で地球以外の生物の命はお売りしていないのです。これは神の定めた条項なので」
「へぇ」
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