21グラムの恋 ―永遠―

38/49
489人が本棚に入れています
本棚に追加
/213ページ
「君の病気がわかってから、浅海はボランティアを始めたんだよ」 浅海の他にも六人の学生たちが声を張り上げていた。 奈都の目がたちまち潤んでくる。 それだけではなかった。 「あ、」 献血バスのステップを踏んで降りてきたのもまた、奈都のよく知る人物だった。 「代わるよ。少し休んで」 「服部くん」 「いやいや、ダメだよ。服部くんこそ、ちゃんと休まなきゃ。今日は四百取ったんでしょう。大丈夫?」 「平気。特に変わりはないよ」 「だーめ。それでも休んで。無理して倒れたりしたら、奈都に心配かけちゃうよ」 「言うようになったね、榎田も」 「おかげさまで」 明るい笑い声が風に乗る。 「じゃあ、悪いけどあと少しだけ休憩させてもらうよ」 「うん。そうして」 踵を返した服部の姿を追いかけていくと、駅前のハンバーガー店へと入っていった。 飲み物だけを買った服部は、窓際に並ぶ席に腰を下ろすと、スマホを取り出した。
/213ページ

最初のコメントを投稿しよう!