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うぉっ! まぶしっ! って感じるぐらいの笑顔に目がくらむ。少し前までただの女性らしいのっぺらぼうなだけだった人物は、どこからどうみても自分自身が想像する女神の姿にしか見えなくなった。膝枕されていることを思い出すと顔から火が出るほど恥ずかしくなってきた。
がばっと飛び起き距離を取り、全力で頭を下げる。
「すいません、女神様の膝枕なんて恐れ多いことを。数々の無礼な発言もお許しください」
状況がつかめないが、冷や汗ダラダラである。混乱していたとはいえ失礼しすぎだろ俺。五感が戻ってきたことで、本能が夢じゃないと確信している
「顔を上げてください。」
穏やかな清流のような声が聞こえ、頬に手を添えられる。
自然と顔を上げてしまうと、吸い込まれるような瞳と目があう。
「あなたは、神様なんですから」
「――えっ?」
ずっと驚きの連続でスルーしていたが、これだけ言われたら無視できない。
俺が神様? 一体なんの冗談だろう。
「正確には、これからなって頂くんですけどね」
屈託のない笑顔で見つめながら、女神様が俺の頬を撫でた。
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