第1話 女神と神様

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 正直考えが追い付かない。真っ白い空間に女神様と二人きりっていう時点でもいっぱいいっぱいなのに、あなたが神様です、わーパチパチみたいなこと言われても困る。 「異世界転生的なものですか?」 辛うじて似通った状況を当てはめて質問してみる。死んだ覚えはないけど。  俺の頬に当てていた手をゆっくりと離し、人差し指を顎に当てながらキョトンとした表情で女神様が答える。 「違いますよ? 近からずとも遠からずって感じですけど。少なくとも神様は死んでいらっしゃいませんから。」  異世界転生で話が通じたことに少しびっくりするが、まぁそこは女神様なんだろうしなとも思う。じゃぁ一体自分はなんでこんなところに呼ばれたんだ? 考えても検討がつかない。悩んでも仕方ないなら聞いてみるしかないか……。 「んー、それじゃぁ神様ってどういうことなんですか? 正直事態が把握できてないんですが。」 ストレートに聞いてみた。  女神様は首を傾げると、何かを思い出したかのようにポンッと手を叩いた。 「そういえば説明がまだでしたね。嬉しくてうっかりしてました。」 納得がいったように、笑みを絶やさないまま、うんうんと頷いている。「あなたには世界を創って頂きたいのです。何故あなたが神様なのかと聞かれても、それが世界の意思であるとしか、わたしには答えられません。」  困ったような表情をして答えられると,これ以上の追及は難しい。女性を困らせるような趣味はないし、そもそも神がわからないと言ったらわからないだろう。 「創ると言われても、どうやって創るんですが? そういう力的な物があった……いや、これからくれるとか?」 今まで生きてきて、そんなことができる素振りなんてなかった。これから与えられるのかも知れないと思い質問する。  女神様は首を左右に軽く振り答える。 「人間とは神を模倣して作られたと聞いたことがありませんか? 元々そういった力が存在しているのです。 最も、誰でもよかった訳ではないですが、少なくとも先ほどその力の片鱗を見せていたはずですよ?」 「えっ? 力の片鱗と言われても……」  びっくりしたり戸惑っていただけだった気がする。正直思い当たる節がない。 こちらが困惑している様子にさすがに気付いたのか、女神様は何かを思いついたように手をポンっと叩き。 「では、実際にやってみましょうか!」  満面の笑みで答えた。
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