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「ついこの前共演したとき、
撮影中のヒフミくんの人懐っこい笑顔が忘れられない。
あれって、
すべて演技?
だとしたら、
すごく淋しいな。
ヒフミくんはストイックすぎだと思う。
ときどき狂気を感じるほどにね・・・
・・・だからみんな距離を置くんだよ。」
と言い残し、花さんは他のところへ行ってしまった。
花さんの言葉は
心にグサッと突き刺さった。
花さんの言うとおりだ。
実は孤独な俳優である。
そりゃーみんなと仲良く楽しくやれたら楽だろう。
そう思っていても、
現場ではそれができない。
同僚の刑事が、
女優の花さんに見えてしまえば
死力を注ぐ演技などできなくなる。
俺は器用な俳優じゃないから
こうする以外ないんだよ。
真の顔を隠した俳優ヒフミでなければ。
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