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答え。
「普通」
「嫌だ」
「ふ~ん」
ほぼその3つの単語しか、返事として繰り出されないからだ。
「ごちそうさま~」
私より早く食べ終えた由紀人は、机から少し離れてケータイを見る。
LINEの返事をしたり、ゲームを始めたり。
そしてその後の行動は、よく知っている。
ソファに横になるか、布団に横になるか。
「はぁ… やってらんねぇ~」
「バカみたい… ごちそうさま」
由紀人の言葉に対して、一言だけ。
たった一言呟いた私は、食器を全て片付けた後、洋服箪笥から服を取り出して、
そのままキャリーバッグに詰める。
もう、辛い。
至れり尽くせりの環境にいるはずなのに、「やってらんない」
その一言が、私の堪忍袋の緒を切った。
「え、何?今からどっか旅行でも出かける気?」
私の方をちら見して、低い声で言う由紀人。
すぐにケータイに視線が戻ったのを確認して、
返事もせずに荷物をまとめる。
洋服、洗面用品、化粧品。
通帳、印鑑、免許証。
ある程度の必要最低限をカバンに詰めて、
車のカギや財布といったものを手持ちのカバンで持って、
由紀人の横に立った。
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