第1章 昭環43年 嵐の夜……

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   後方のハイゼットは廃車置場から調達してきたオンボロで、ハンドルはなかったし、エンジンが掛かるかどうかも分からなかった。それでも、他にコンテナの代わりとなるものがなかったので仕方なくこれを連結している。中では作業員3名がいた。  カーブを曲がる度に、けたたましいスキール音が轟いた。後方のハイゼットはたまにスキール音が途絶える。    おそらく、遠心力でタイヤが地面から離れているのかもしれない。もしくは、すでに吹っ飛ばされて谷底に落ちているのかもしれない。
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