第2章 昭環42年 嵐の夜に……

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「お前、それはオカシイだろ?班長や職長が上に報告書を出してるのに。それを見てないのか?」  三原は表情をこわばらせながら答えた。 「報告書だけだと現場が分からないだろ?だから、こうやって君たちと話してるんだよ」  俺はあり得ないと思った──この軍需工場内には監視カメラと指向性マイクがある。憲兵隊の監視も厳しい。工員たちの挙動だけなら、わざわざ現場にくる必要はないからだ。それに、三原だけには知らされていない工員たちの重大な噂……。 「だったら……俺達が計画してることもバレバレってわけだ」
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