第2章 昭環42年 嵐の夜に……

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   図面には遠目からでも壁に赤い丸が描かれていて、その区画の隔壁を破壊するのだろうということが推測できた。 「捗ってるかしら?」  班長が声をかけると、赤鉛筆を持ったまま図面を凝視していた村崎が顔をあげて答えた。 「ちっと、気分転換がしてえよなあ。班長さんよ」 「……いい加減、どこから脱出するのかくらい決めて欲しいわね!」 「それなんだが、俺は意識のない状態でここへきたから外界のことは知らねえんだよ」 「わたしもそうだけど……それでも……」
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