第2章 昭環42年 嵐の夜に……

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 図面を見た瞬間に俺は理解した。外壁と区画が密接している壁を何らかの方法で破壊して、外界へ逃走するのだと。  その時、合田の怒鳴り声が聞こえてきた。 「おらおらぁ。さっきの威勢はどこいったああ。マジでぶっ殺すぞ!」 「こ、こんなことをして憲兵隊が黙っちゃいないぞ!ゴホォッ……」  サンドバッグのように殴られながら三原は叫んだ。 「憲兵隊?上等だよ。早く呼べよ」 「クソッ……。ああっ。瀬戸か!お前が無線機を盗んだんだな!」
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