第2章 昭環42年 嵐の夜に……

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 おいおい、いきなりかよと思いながら俺は班長ら愚連隊の面々に首を横に振り言った。 「無線機とか見たことも聞いたこともないぜ」 「こ、この盗っ人が!瀬戸を憲兵隊に引き渡したら1億円やるから俺を解放しろ!」  三原の嘘は三原の中で真実になる──俺は三原と変な関わりを持ったことに気が滅入った。しかし、班長や合田もそんな嘘に騙されるわけがなかった──こいつらは筋金入りの悪党でもあったので悪知恵だけは群を抜いていた。    そんな相手に子供騙しの嘘は通用しない。
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