第2章 昭環42年 嵐の夜に……

18/24
前へ
/24ページ
次へ
「俺もここにきて無線機とか見たことねえなあ」 「真面目な瀬戸君が盗みなんかするわけないでしょう?」  それでも無線機を俺が盗んだとわめきちらす三原の様子を見て、村崎は赤鉛筆を静かに置いて班長に目配せしながら言った。  村崎はゆっくりと近寄ると三原を縛り上げた。 「つまりだ。お前は俺らの仲間になりたいんだろう。なぁ、三原?」 「仲間?そ、それは好都合だね。さあ瀬戸を……」  村崎は首を横に振りながら三原を俵のように担いだ。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加