第2章 昭環42年 嵐の夜に……

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 班長の頼みというのは監視の憲兵らを買収することだった。 「お金が足りないなら言ってね」 「だが、できるだけ予算内でやってくれ」  俺は急いで部屋へ戻った。監視の憲兵は何とかなる。だが、俺にも予定があった──そろそろ、缶詰の納期が迫っていたのだった。脱走を目論んでいる連中を根こそぎ缶詰にできれば……。  自室に戻るとダクトの網を外して、俺は“缶詰製造機”の様子を見に行った。    しばらく放置していたため薄っすらとホコリが積もっていた。覆い被せてるシートを慎重にはがしていくと缶詰製造機の本体が出てきた。缶詰製造機をひと通りチェックすると、何かが違うような気がした。
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