第2章 昭環42年 嵐の夜に……

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 その時、片腕を失った班長が息を切らしながら、トロッコを掴み乗り込んできた。顔色は真っ青で恐怖で震えていた。 「瀬戸君!いったい何が起こってるのよ!?」  俺は班長がトロッコに乗り込むのを無視しつつ出発させた。強風が真正面から吹き付け、トロッコはなかなか前進しなかった。  暴風雨の中、さらに頭部と両腕と片足を欠いた者、頭部の上半分と両腕と片足を欠いた者が追いかけて来ていた。時折、風に煽られて転けていた。
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