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「呪い?」
「そう。呪い。百年の伝統を持つ宝富女学院の光を蝕む呪い。いや、もっとそれよりも昔からこの呪いはあるのかもしれない。ともかく呪いが少女達を悲劇に喰らい、更に呪いの悲劇を増幅させる。いつの間にか神話と混同されるようになり、闇の組織ダイバーンと呼ばれるようになったのさ」
「それじゃあ私達は一体何と戦っているのですか?」
「呪いの具現化といえば掴みどころが無いよね。まぁ、百年前の宝富女学院で自ら命を散らした紅藤留兎という少女が闇に呑み込まれ、それが今呪いの最大の依代としてクトゥルートとなっている。もちろんこの私都塚かなめも自ら命を散らし、今は呪いメガロードとして存在している訳さ。君達がダゴンの力で分離させ、更に君達に力を与えたトゥルートは紅藤留兎の持っていた光の部分。ジャークトゥは紅藤留兎の絶望や闇の部分という事だね」
「つまり、ジャークトゥを倒したところで」
「全ての呪いが消えるかどうかはわからないという事さ」
「そんな……」
ーーピコン!
詩音の携帯にメールが送られて音が鳴る。
「あ、りょう先輩と麗先輩が帰ってきたんだ」
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