第34幕【最終章Ⅱ・私だけに】

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 深きものは宝富湾から這い寄る。 だけとは限らない。 水辺、川、沼、ひたひたと不気味な音を立てて人々を求めて暗闇を振り撒いて現れる。 ーーギュイイイイン!!  そんな奴らをぶちのめし、正義のドリルが鳴り響く。 「お姉様方からの市民を守る特命、何としてでもやり遂げてみせるわ!」  銀の螺旋に想いを込めて、唸る正義の大回転。 夢路あさやの駆るドリームオーキスゼロツーがドリルで次々と深き物たちを貫いていく。 トゥルートの光を受けていない彼女であったが、類稀な操縦センスと努力と機体のバージョンアップによって他の勇者達に匹敵する力で敵を倒していく。 「宝富の市民には指一本触れさせないわ! さぁ、かかってきなさい! え?」  ドリームオーキスゼロツーのセンサーがマンションで逃げ遅れた中学生と小学生の姉妹を発見する。 「避難者? 危ない!」  深きものは姉妹に気づいて襲おうとするが、ドリームオーキスゼロツーはすぐにそのマンションに駆け寄って深きものを倒す。 それを隙と捉えて別の深きものが死角からドリームオーキスゼロツーを狙う。 「しまった!?」 「レスキューマグナム!」  ビームが深きものを貫く。 「た、助かった?」  あさやが振り返ると、銃を構え、他の深きものを撃ち倒しているロボットがそこにいた。 「間に合いました。私は恵北学園レスキューブレイ部の桜都李紅です。このレスキューシルバスター、あなたと共に戦います!」
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