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「そろそろご飯にしない?」
「そうだね。おなか減ったし、今日はどんなご飯か楽しみだ。」
ベンチに腰掛けハルお手製の弁当を開けた。
そこには美味しそうなサンドイッチに真咲の大好きな卵焼きにハルの得意の料理が詰め込まれていた。
「すごい美味しそう!」
「早く食べて食べて!」
「いただきます。」
美味しさが口いっぱいに広がる。ハルの料理は食べる人を幸せにできる力があるんだなと真咲は思った。
綺麗な景色を見ながら大好きな人の手料理を食べることができて真咲は幸せだった。
この時間が一生続けばいいのに。
しかし時間は刻一刻と過ぎていく。
時刻は十三時。残り二時間。
先のことを考えるのはやめた。今を楽しく、ハルと過ごせているこの時間を大切にするのだ。
「ごちそうさま。今日も一段と美味しかったよ。」
「そういってもらえてよかった。ありがとう。」
「じゃあ、また回ろっか。」
ハルの手を取り花畑を進んでいく真咲。別れの時間が近づいてきているからか二人の会話は減っていった。
時刻は二時半。残り三十分を切った時、真咲が話を始めた。
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