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「僕たちであってまだ一週間だよね。」
「うん。」
「あの日あの店に行っておじいさんの話は嘘だと思っていたんだ。だって信じられるわけないじゃん。相手を作れるなんて。今まで誰にも愛されなかった僕にとっては夢のような話だったけど今こうして現実になってくれていて嬉しく思う。ハル、君に出会えてよかった。恋をして、愛情を知って、たくさんの気持ちがわかった。
本当はまだ君と暮らしたい。色んな世界を一緒に見たい。それは叶わないけど僕にとってこの一週間は一生の宝物だから。」
真咲は思っていたこともすべてをぶつけた。今まで涙も弱いところも見せなかったハルだが一筋の涙が零れ落ちる。
「ありがとう。私を作ってくれて。真咲君と出会って過ごして毎日が幸せだった。
大切にしてくれて愛してくれて本当に嬉しかったよ。」
そういうとハルは真咲に抱き着いた。
「本当はまだ私も一緒にいたい。生きたい。あなたと一生笑っていたい。嫌だよ。別れたくない。嫌だよ・・。」
初めてそんなハルの姿を見た。ハルも相当苦しかったのだろう。自分が弱かったから彼女に強がらせてしまった。
真咲はハルを強く抱きしめ
「ハル、泣くな。僕の目を見て、いつもみたいに笑って?」
泣きじゃくるハルを優しくなだめる真咲。ハルは真咲の目をみて引きつった笑いを見せる。
「もっと普通の笑顔が見たい。ハル、僕は君が大好きだよ。」
そういうとハルはいつもの無邪気な笑顔で
「私も真咲が大好き。」
お互い強く抱きしめる。
真咲はポケットからこの日のために買っておいたものを取り出し
「ハル、手出して」
言われたとおりに差し出すハル。左手の薬指に指輪をはめた。
「え!これって。」
「君に渡したくって。僕からのプレゼント。これをつけていれば離れていても忘れないだろう?あと今日は、愛の日っていうんだって。
僕はこの指輪に誓うよ。
君を一生愛するって。」
真咲は真剣な顔でハルの瞳を見つめた。
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