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「お客様?お客様!起きてください。」 真咲は気づかぬうちに眠りについていたようだった。 「ん、はい。僕眠ってましたね。すみません。」 「お疲れのようですね。できましたよ、あなたの運命の相手。」 老人の後ろに若い女性が立っていた。 茶色がかった長い髪、透き通るように白い肌、まっすぐ前を見据える瞳。 チャームポイントであろう唇の横のほくろ。 どこの誰が見ても美人というだろうというほどの女性が立っていた。 真咲は目を丸め 「え、これが僕の相手?すごい美人じゃないですか。あと寿命十年プラスとかですか?」 「そんなケチな真似しませんから。あなたのその欲のなさに胸を打たれました。 これは私からのサービスです。」 老人は今まで見せてきた笑みではなく、屈託のない笑いを見せてくれた。 「この女性に名前を付けてあげてください。一週間ですがあなたのパートナーです。 大切にしてあげてくださいね。この店を出た瞬間あなたの寿命は十年縮みます。」 「わかりました。名前はそうだな・・。今、季節が春だから・・無難にハルにします。 ハルさんよろしくお願いします。店長さんありがとうございました。」 真咲も微笑むとハルも微笑んだ。 「よろしくお願いします。真咲君。」 照れくさくなり真咲は顔を赤らめる。二人で出口へと向かっていくと老人が呟いた。 「さあ、一週間夢のような時間をお過ごしください。あなたの新しい人生に幸あれ。」 扉を開けると太陽の光が二人を暖かく照らしていた。
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