第4話~私の後輩~

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『その日なら大丈夫だよ!』 「わかった、ほんならその日に決めようか」 以前に話していた悠里の誘いに対し、漸く奏汰と休日が被り、すかさずその日に会う約束をする。 待ち合わせ場所は、今回は悠里側の駅で、時間は昼の12時に決まり、 『楽しみにしてるね』 「じゃまた明日、おやすみ」 最後にはいつものようにお休みメールを送り、二人共眠りに着く。 それから約束の日まで時が流れる中、いちかは奏汰の仕事先で奏汰がどういった人物なのかを、奏汰がいない間に密かに聞いて回っていた。 「多分、私の事好きなんじゃないかなー?」 「新人の女の子すぐ好きになるからあんたも気ぃ付けた方がいいよ」 「仕事中ずっと私の事考えてるんだろーなぁ」 「モテないから乗り換えが早い奴」 男性陣からは手が早い、女性陣からは殆どから自身に気があると思われているようで、いちかは複雑な気持ちになった。 とにかく奏汰という人物は、悠里だけを特別気にしてる訳ではないという事を理解する。 「乗り換えが早くて、好きな娘には下心で優しくするような人なら…今は私の事が好きだったりして?」 正直いちかは、そんな奏汰に少し幻滅していた。 悠里との仲を応援していただけに、今は自身が狙われているのではないかと確信して嫌悪感すら抱く。 「ま…仕事の先輩としてはいい人だから、気付かないフリしててあげますよ…先輩」
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