第4話~私の後輩~

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そして奏汰と悠里が約束をした日の当日、 「先に着いたから待ってるわ」 奏汰は少し早くに待ち合わせ場所に到着し、メールを送って適当な所で悠里が来るのを待つ事に。 それから十数分後に時計の針が待ち合わせ時間の12時を指した時、 「蓮見さん♪」 「あれ、いちか?」 「おはようございます!」 そこへ満面の笑みを浮かべるいちかが姿を現し、奏汰は驚きを隠せない。 「偶然やな、こんなとこで」 「偶然じゃないですよ♪」 「ん?」 しかしそれに対しいちかは、まるで悪戯を企んでる子供のような笑みを浮かべながら、 「実は私が、以前に悠里さんが話してた後輩なんですよ」 「ほんま?!」 そうカミングアウトし、それにより奏汰はまた更に驚きを隠せない。 するといちかは満足気に微笑むが、しかし奏汰はすぐに気を取り直し、 「立ち話もアレやから、とりあえず座る?」 「はい、ありがとうございます」 すかさず側のベンチを指し、掌を翳して誘導する。 その時いちかは、表向きの笑顔とは裏腹に心の中では全く別の事を考えていた。 『こんな下心剥き出しの男なんかに、悠里さんは勿体無い…』 悠里はまた急な仕事で遅れるようで、それまでは二人で近くのファミレスで待つ事にする。 この日からいちかは、水面下で暗躍を始めるのだった。
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