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「え、またですか?!」
『急で悪いけど、宜しくね』
時は遡り、今朝ー。
悠里の元へ、早朝からまたしても電話が鳴り、先輩が体調を崩してしまったから昼過ぎまで代わりに出て欲しいという連絡が来た。
「なんでこんな大事な日にばっかり!」
不満を漏らしながらも悠里は急いで支度し、同時に奏汰にもメールを送る。
「本当にごめんね、また仕事入っちゃったからちょっと行ってくるね。奏汰が"頑張れ"って言ってくれたら頑張れるんだけどな…」
それは謝罪半分に、少し甘えも含んだ内容だった。
以前は朝の10時に待ち合わせてしまった為に二時間以上も待たせてしまったが、今回は不幸中の幸いか待ち合わせ時間は昼の12時…これだと少し遅れるだけで済むかもしれない。
悠里はいつも通りに電車に乗って携帯を確認すると、
「奏汰♪」
奏汰から返信が来ていた。
『頑張って!気長に待ってるわ』
それにより悠里は思わずにやけてしまい、柔らかい吐息を漏らす。
「ありがとう、頑張ってくるね!」
悠里の中では既に、奏汰の一言一言が原動力と言っても過言ではなかった。
それから悠里は、休日出勤にも関わらず終始笑顔で仕事を熟し、約束の12時になるとすぐに上がろうとするが、
「佐々木さんちょっと待って!」
「はい?」
何故か先輩に呼び止められる。
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