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少年のような硬質な口調とは裏腹に、高く澄んだ声が降ってきた。
手には500円玉、顔にはクールな表情を貼り付けた俺の上司だ。
這いつくばったままフリーズしている俺を見下ろす。
フリーズした理由は、決して恥辱などではない。そう、キリッとした美人顏とメガネがちょっといいな、とか思ってたけど、恥辱からではない。
驚いたからだ。物凄く。
この会社に入社し早3年。
なぜ気づかなかった。
なぜ誰も気づいていないんだ。
上司ーー佐々木主任の足が、地面から浮いていることに。
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