世界一の美少女剣士だプル

「おいしい～、おいしいことは幸せなのだ」
ショートヘアーが似合う活発な女のコがドーナッツやケーキをむしゃむしゃと食べて幸せそうに笑う。??

「ん、もう美空ったらよくそんなに食べるわね～。太っても知らないよ」
美空と呼ばれた女のコとは対照的に長い髪が似合う知的な女のコは、ひとつのドーナッツを少しづつ食べながら美空がむしゃむしゃとたくさん食べるのを呆れ顔で見ている。

「だって～、今日もバトルの連続なんだから、たっくさん食べてエネルギーを満タンにしなくちゃ」

ふたりは日向美空と月影来海。ともに藤の花学園中等部の二年生。

美空はあらゆるスポーツが万能で、いろいろな部活から試合などの助っ人を頼まれて大活躍。来海は美空のマネージャーとしてスケジュールを調整したりしている。

真逆の性格のふたりだけど、子供の頃からいつも一緒の大親友なのだ。

「そういえば、また辻斬りが出たらしいわよ。ついにウチの学校の生徒も被害に遭ったらしいの」

「大丈夫よ、辻斬りなんて出たってあたしがやっつけてあげるから」と美空はファイティングポーズを決める。

「美空と一緒なら何が出ても大丈夫そうね」とふたりは微笑みをかわす。

ふたりが話題にしている辻斬りとは、このところ出没して人を襲うという噂である。時代劇に出てくる浪人侍のような格好で、斬られた人はまるで心がなくなってしまったかのように放心状態になるらしい・・