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頂上休憩所の外観構造は、中腹にあった休憩所とほぼ同じ構造となっており、建物内部は中 古を扱っているだけあり、 色々な大きさの本が所狭しと置かれていた。
カウンターは無人出会ったが、奥の方の進んで行くと、棚のすみから
「い・・らっ・・しゃ・・い・・ま・・せ」
途切れ途切れの声が聞こえた。
「す・・み・・ません。た・・す・・けて・・くだ・・さい」
声のする方に進んでみると、巫女姿の女性が本の下敷きになっていた。いそいで駆け寄り、上にのしかかっていた本をどかしてあげ、女性を助け上げた。
「助けて頂きありがとう御座います。」
女の子がお礼を言いながら顔を上げ、俺の顔を見るなり、
「あ!柊君」
条件反射的に「誰?」言ってしまった。
「クラスが隣の“よしなえなれもん”です」
「同級生!」
「はい!そうです」
「よしなえなれもん?どこで切るの?」
「苗字が“よしなえな”、名前が“れもん”です。苗字が珍しいのは、この寺の娘だからです。代々続くお寺は昔々に苗字がつけられたので、今では珍しい苗字になっているんだよ」
「へぇ~~そうなんだ。」
「あと、柊君と同棲している蜜柑ちゃん、幼なじだよ」
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