7、二人きりの夜の過ごし方

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やっぱりこんな、ソファって事は無いわよねぇ。 やっぱり、夜景がドバーッと広がるホテルのスイートルームとか? いやいや、一層、山奥にひっそりとある隠れ家温泉でしっぽりとか? あっ、課長の家は? 課長のお家でご飯作って(作れるようになる予定)一緒に食べて、 「そろそろ風呂でも入りますか?」 「えっ、お風呂ですか?課長、先にどうぞ。」 「君も一緒に入るんだよ。」 「えっ、そんな一緒になんて恥ずかしい…」 「何を言ってるんです、その後、もっと恥ずかしい事をすると言うのに……」 うきゃーーーーっ。 やだぁ、もう、どうしよぉ。 「恥ずかしがらず、こっちへおいで。」 「そんなぁ、近くになんていけません。駄目です、課長。あ~れぇ~」 「桃原さん、その恐ろしくくだらない妄想を直ちにやめなければわいせつ罪と名誉棄損で訴えますよ。」 「課長っ、起きてたんですか?」 「側でお粗末な一人猿芝居聞かされて起きない人はいないかと、思いますが。」 さっと起き上がる課長。 その瞬間、ドサッとソファから落とされる私。 「痛たた…」 それでなくても狭いソファで二人して毛布に包まり寝たから体が痛いというのに。 落っこちた私に目もくれずテーブルの上に置いてあった眼鏡を掛ける課長。 寝起きながらすっきりとしたお顔でらっしゃる。いつもながらのクールな課長だ。 何よ。昨夜あんなにも熱い告白した癖に。 あんなにも濃厚なキスをした癖に… 待てよ? あれ、夢だったとか? そうだよね、よく考えるとこのスノーマンな課長があんな事言う訳ないよね? 私の事が好きだって。 そっかぁ、全ては私が都合よく作り出した妄想から見た夢? でも…初夢だよね? だったら叶う?
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