7、二人きりの夜の過ごし方

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*** 「ええ、幸い被害も無いようですし。そうですね。僕もそのつもりです。なのでご心配なく。はい、その件も警察の方とーーー」 リビングのソファに座る私の隣で課長がテキパキとうちの両親に話すのをぼんやり聞いてる。 見知らぬ男は近頃、この辺りで起こっていた例の空き巣の犯人だった。 こんな事、あるんだね。 まさかうちの家に空き巣がはいるなんて。 正月、留守にしている家を狙っていたらしい。 たまたま真っ暗だったうちが狙われた訳だけど、家に入ると犬が吠えだし、何も盗らず逃げる所だったそうだ。 ポロンは滅多に吠えない。 もうかなり老犬だしね。 だけどさすがの異変にけたたましく吠えたのだろう。 ワンちゃんのお手柄ですよ、と警察の人も言ってた。 だけどーーー 想像すると怖い。 私達の帰るタイミングがずれて、吠えるポロンに犯人が何かしてたら、 もし私が一人で帰って犯人と遭遇していたら、 あの時、犯人に立ち向かった課長に何か起こっていたら…… 考えるだけで震えが止まらない。 「大丈夫ですか?」 電話を終え、私に声を掛ける課長。 動揺して動けない私の代わりに警察の対応やうちの両親への事情説明も全てしてくれたのだ。 急に帰るにも電車もないし、せっかくの同窓会なのでゆっくりしてくださいとうちの親に課長が言ってくれたそうだ。僕が側についてますからと。 「すいません…課長にご、ご迷惑を…」 少しは落ち着いて来たけれど、まだ上手く話す事も出来ない。
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