7、二人きりの夜の過ごし方

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「桃原さん、昨夜の事ですが…僕、どうかしてました。」 「えっ、やっぱり夢?いや、それとも無かったことにとかですか?そんなぁ…」 散々盛り上げといて落とされるなんて酷いよ。 「桃原さん。」 「は、い。」 なにやら呆れ顔の課長。このパターンって仕事でポカミスした時に怒られるパターンだ。 「人の話は最後まで聞きなさい。そして安易な情報量で物事を判断するのはお止しなさいっていつも言ってるでしょう。」 「ひぃっ、す、す、スイマセン。」 「全く君って人は…良いですか?」 朝からお説教かぁ。しかも自宅のリビングで。自分ちで上司に説教されるってそうないよね? 「聞いてるんですか?」 「聞いております、さあ、どうぞ。」 ソファに座る課長の足元に正座して背筋を伸ばしかしこまる私。 なんだこのシュールな図は。 「良いですか?僕が言いたいのはあんな出来事があり、不在のご両親に変わって僕がちゃんと君の事を守らなければいけない立場にありながら、僕は君に手を出してしまいましました。自分自身の欲に負け弱っている君に付け入るような事をしたのです。申し訳ないことをしました。」 「課長、謝らないでください…。悲しすぎます。」 「悲しい?」 「だって、それだと課長が私に言ってくれた言葉まで全て否定されたような気がします。」 私がそう言うと課長は腕を組み片方の手は顎下に軽く添える。もちろん、長い脚はすっと組まれていて。課長がいつも考える時にするあのポーズ。 今こそ、写メに収めてもいいんじゃないの? 昨夜の事、無かったことにされようとしてるならもういいじゃん、開き直って写メ撮っちゃおうっと。 寝不足で思考回路が定まらない私が強行に出ようとしたら… 「ここへ、」 と、自分が座る場所の隣をトントンとする。 「えっ?」 「ここへ座りなさい。」 「あっ、はい。」 恐る恐る隣に座る。
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