Tell me!! “甘い時間の過ごし方“

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でもまぁ、ここに来たのは間違いない事実な訳で。 隣で私を抱きしめる課長の顔をそっと見る。 寝顔…、ヤバい。 綺麗すぎる。 綺麗すぎるにも程がある。 キリッと整った眉。 そして長いまつ毛。 筋の通った鼻に引き締まった唇。 ヨダレなんて垂れた事、無いんだろうな。 私なんてこの年でも時々ヨダレ垂らして寝てるのに。 ああ、写メ撮りたい。 スマホどこ? て言うか私、服ちゃんと、着てるのか? ゴゾゴソ動いているとーーー 「桃原さん、もう起きてたんですか。」 駄目だ…寝起きの課長、破壊力半端ない。 「課長、おはようございます。それから …、ご迷惑を掛けたみたいで…申し訳ありませんでした。」 「本当ですよ。君は僕をチベットへ行かせたいのですか?」 「はっ?チベット?」 「いえ、こちらの話です。」 課長はそう言いながら抱きしめる手に今一度力を入れる。 前に空き巣が入った時もこうして寝たんだよね。 だけどーーー あの時はソファだったからそんなに気にならなかったんだけど…ここベッドですよね? うっわっ。 急に照れてきた。 「桃原さん、どうしました?」 いや、どうしたもこうしたも…この状況ですよ? 「あの…手がずっと、私の体に…まわ、…ってい、て…」 「ああ、これ?」 ええ、それ、なんですけどね。 「じゃぁ、これならどうです?」 と、むくりと上体を起こすと私に覆い被さってきた課長。 「ひゃっ。」
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