第1章 出会い

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私の名前は、「九鬼 瞳」 。 霊視が得意の21才、うら若き乙女よ。 中学校を卒業してから、 とりあえず高校に入学したんだけどさぁ、 優秀だったから(笑)、三ヶ月で卒業(リタイヤ)して、 バイトしながら世界中を旅して、見聞を広めてきたんだよね。 どうも一般の常識というヤツは、私には合わないww。 実家も、代々陰陽師をやってるし、 一般の家庭とは、環境がちょっと違うのよね。 学歴よりもっと大事なものがある、 という考え方は、父親とも一致してるし、 だから何をして生きていくのか、自分に何ができるのか 色々な経験を通して考えていたら~、 最近、面白い出会いがあったのね。 それは守護存在との出会い。 九鬼家はね、大昔から、 おおきな山の麓に折り重なるように眠っている、 夫婦の龍神をお祀りしているのよ。 その龍神は「咲花龍」と「月哭紫龍」という名前。 だから九鬼家の人達は、たくさんの龍神に護られてる。 私の守護霊も「龍泉」という名の 緑色の瞳をした龍神なのよ。 この龍泉が、とっても美しくてナルシーな龍神なので、 私は「ビューティーちゃん」と呼んでるの。 今は四次元で修行中だから、 呼ばないと現れないんだけどね。 それで、その面白い出会いというのが、 月詠命(ツクヨミノミコト)様の使者だった、 招満福寿月兎(しょうまんぷくじゅげっと)の トミーとの出合い。 あっ! トミーってのは私がつけた名前。 「そなたの名前をくれ!」っていうもんだから、 私のひとみという名前から、トミーってつけたのね。 月詠命様が、派遣してくれたのよ! ねっ!!  面白いでしょ! 月の使者といえば「うさぎ」なんだろうけど、 見た目は、毛玉みたいに毛むくじゃらで、 いつでも 「うにゃん、うにゃん」いいながら 毛づくろいをしているの。 守護というよりは、ペットみたいなのに、 「我はそなたの指導をするのであるにゃー」なんていう、 指導霊気取りの、月うさぎなのよ。 とっても可愛いのーーー。 でもね、 可愛いだけじゃないのよ。
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