第1章 出会い

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どうやら トミーのあの毛は、霊毛らしいのね。 いろんな霊や神様の存在をキャッチするの。 私の仕事にとっても役に立つわ。 これを見越して、月詠命様は私にトミーを 守護としてよこしてくれたのではないかしら。 そうだとしたら、頑張らなくちゃね! 最近私は、父の友人でもある、 鷹柳乙女(たかやなぎおとめ)という霊能力者に 弟子入りをしたの。 乙女ちゃん、いえ乙女師匠は昔っから 家出を繰り返し、放浪している私を居候させてくれて、 面倒見てくれていたので、随分迷惑をかけたと思うけど、 「鑑定師」として働くことを条件に、 快く弟子入りを許可してくれたのよ。 それにはまず、世界占術協会からの表彰を 素直に受け取ることになったの。 『特S級鑑定師の称号』ですって!! 私の「視る力」は結構すごいらしいわ。 今まで、世界中を飛び回って いろんな事件や相談事を解決してきたことが 評価されたのだけど、私にしてみれば 面白そうなことに首をつっこんできただけなのにね。 でも、自分の力が、困っている人のために 役に立つという事は、素直にうれしい。 そしてその褒賞として、世界占術協会からいただいたのが 『ミラクル・ガーネット』というスピリチュアルトレジャー。 これは「七つの秘宝」と呼ばれるもののひとつ。 七つが揃うことで「世界をその手に握る」と 言われているの。 えらいこっちゃ。 私、狙われたりしないかしらん(笑) とにかく、そんなこんなで 鑑定師 九鬼 瞳は誕生したの。 これからどんな鑑定依頼があるのか 興味津々、はりきってまいりましょー。
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