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それから俺は常勝無敗のボクサーとなりぐんぐん名を上げていった。どんな奴が相手でも薬のおかげで数秒でKOできるようになった。そんな俺はすぐにプロボクサーになることができた。プロの世界でも俺は勝ち続けやがてチャンピオンとなり何度も防衛に成功した。お金もどんどん入り、諦めろと言っていた親も手のひらを返したように俺を応援し始めた。
これも全て薬のおかげだ。そう思い俺は久しぶりにあの店に行った。相変わらず暗くて古臭い店だった。俺がこうなれたのもあの男のおかげだからこの店を新しくしてやろうかなそう思っていると、扉が開きあの男が出てきた。
「おや、貴方は前に薬を渡した人ではありませんか」
ニヤリと相変わらず気持ち悪い笑みを浮かべながら男は言った。
「あぁ、あんたのおかげで俺は夢を叶える事が出来た。有難う」
「いえいえ、私も私自身の望みを叶える事が出来ましたから御礼は結構ですよ。あぁ、薬のお代はいただきますがね」
「へっ、幾らでも払ってやるぜ。何なら倍にして払ってやってもいいぜ」
プロボクサーとなった彼は勝ち続けお金なら有り余るほど持っていたのでそう言った。
「ほぉ~なら払ってもらいましょうか」
男は突然指を鳴らす、すると俺の意識はだんだんと薄れていった。
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