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妻は、悪阻の症状を、船酔いして、ずっと船から降りられない気分だと表現していた。 ちょっと違うけど、例えるならそんな気分だと。 俺は、趣味の釣りで、海釣りの経験から船酔いは経験あるが、激しい波の上でずっと船から降りられない気分は、過酷だと思った。 でも、ある日、 「船から降りた。陸に着いた。」 そう言って、久々に晴れ晴れとした彼女の笑顔は、ドキッとするほど美しかった。 食欲も戻って、顔色もよくて、夕飯も一緒に食べられるまで回復した。 常にウキウキした様子で、今までとのギャップがありすぎて、 でも、いつも元気な奥さん、 そんな彼女のイメージは、やっぱこれだなって、また一緒に笑って過ごせるのが嬉しくてたまらなかった。 一緒に夕飯を食べて、先にお風呂に入っている間に、俺が食器を洗って片付ける。 悪阻の頃から、一緒にお風呂に入る機会がなくなってから、最近は、お風呂は別々に入っていた。 洗い物を終えて、ちょうどお風呂から出て来た音がしたから、そのタイミングで、俺も洗面所へ行くと、久々に彼女の肌を見た。 「見て、少し大きくなった気がしない?」 思わず胸に目がいった。
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